平成25年度-労働基準法 第30問

■第30問 労働契約を締結する際に、労働者の親権者が使用者から多額の金銭を借り受けることは、人身売買や労働者の不当な足留めにつながるおそれがあるため、当該労働者の賃金と相殺されるか否かを問わず、労働基準法第17条に違反する。

 

 

 

■答え:×

■解説:法17条
労働基準法第17条(前借金相殺の禁止)の規定は、前借金と賃金を相殺することを禁止し、金銭貸借関係と労働関係を完全に分離することにより金銭貸借に基づく身体的拘束の発生を防止することを目的としたものである。そのため、法17条では前借金そのものは禁止せず、単に賃金と前借金を相殺することを禁止するにとどめたものである。


平成25年度-労働基準法 第29問

■第29問 労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定め又は損害賠償額を予定する契約をすることを使用者に禁止しているが、その趣旨は、このような違約金制度や損害賠償額予定の制度が、ともすると労働の強制にわたり、あるいは労働者の自由意思を不当に拘束し、労働者を使用者に隷属させることとなるので、これらの弊害を防止しようとする点にある。

 

 

 

■答え:○

■解説:法16条
労働契約の期間の途中において労働者が転職したり、帰郷する等、労働契約の不履行の場合に、一定額の違約金を定めたり、又は労働契約の不履行や労働者の不法行為に対して一定額の損害賠償を支払うことを労働者本人又はその身元保証人と約束する慣行が従来我が国にみられたが、こうした制度は、ともすると労働の強制にわたり、あるいは労働者の自由意思を不当に拘束し、労働者を使用者に隷属せしめることとなるので、労働基準法第16条(賠償予定の禁止)では、こうした違約金制度や損害賠償予定の制度を禁止し、労働者が違約金又は賠償予定額を支払わされることをおそれて心ならずとも労働関係の継続を強いられること等を防止している。


平成25年度-労働基準法 第28問

■第28問 使用者は、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の際に、労働者に対して、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項を、書面の交付により明示しなければならない。

 

 

 

■答え:○

■解説:法15条1項、則5条1項、平成24年10月26日基発1026第2号
使用者が労働者に対して明示しなければならない労働条件のうち、期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結である場合は、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準を、書面を交付することにより明示することが義務づけられている。


平成25年度-労働基準法 第27問

■第27問 使用者は、満60歳以上の労働者との間に、5年以内の契約期間の労働契約を締結することができる。

 

 

 

■答え:○

■解説:法14条1項
満60歳以上の労働者の場合は、その者がどのような業務に就く場合であっても労働契約期間の上限は5年となる。


平成25年度-労働基準法 第26問

■第26問 労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効とするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することも定めている。

 

 

 

■答え:○

■解説:法13条
労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準によることとされている。